連載 看護アセスメントの生理学的検証・7
糖尿病性自律神経障害患者の心拍変動に関する研究―(その2)研究例の紹介
西村 ユミ
1
,
工藤 一彦
2,3
1日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程
2女子栄養大学
3防衛医科大学校
pp.544-550
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900675
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前回は,看護研究に自律神経機能評価を導入するためのイントロダクションとして,押さえておきたい基本的な知識について,例をあげながら説明した.しかし,説明した内容は自律神経機能のほんの一部分なので,関心をもたれた方は参考文献をぜひ読んでいただきたい.
今回から2回にわたり,自律神経機能評価法を用いた研究を紹介し,研究方法の解説,結果の解釈,看護への応用を考えていく.紹介するのは,則武,工藤らによって行なわれた医学領域における糖尿病患者の自律神経機能評価に関する研究1)であり,CVRR注1)という方法を用いて,24時間の自律神経活動の態度を把握しようとしたものである.研究目的を読むと,看護研究において自律神経機能評価法を用いる場合と異なっていることに気づかれると思う.というのは,医学領域の研究では,疾患の診断や状態の善し悪し,あるいは予後を判断するために検査を用いるのに対し,看護領域ではケアの効果や対象者の生活パターンなどの評価が目的となるからである.しかし,このような違いがあっても,自律神経機能評価法の一活用例としては十分に参考になる.医学研究と看護学研究の相違点についても考えたい.
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