増刊号特集 Brush Up! CDE 糖尿病合併症事典
Ⅱ慢性合併症
【細小血管障害】
神経障害
糖尿病性自律神経障害
馬場 正之
1
1青森県立中央病院 神経内科
キーワード:
①起立性低血圧
,
②失神
,
③糖尿病神経障害
Keyword:
①起立性低血圧
,
②失神
,
③糖尿病神経障害
pp.264-267
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101703
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症例 42歳 男性
5年前に糖尿病を指摘されたが放置.当科受診の5カ月前に腎盂腎炎を発症,この時HbA1c 13.5%を指摘され,インスリン治療を開始された.治療開始3カ月後HbA1c 7%となった頃に足部しびれ感が出現,2週後には腹部から下半身に焼けるような激痛と両下肢筋力低下が出現.同時に起立時の失神が頻繁となり,当科受診.神経学的検査で膝反射・アキレス反射消失,第7~9胸髄皮節ならびに四肢手袋靴下状の痛覚低下と内踝部振動覚低下を認めたほか,両下肢筋力は4レベルに低下し,両足部皮膚には著明に乾燥していた.起立負荷試験で収縮期血圧が40mmHg低下,深呼吸時心拍変動(最大値-最小値)は8に低下,ハンドグリップ時血圧上昇は5mmHgに低下.腹部超音波検査で軽度の残尿.神経伝導検査は脛骨神経CMAP振幅8.8mV,MCV 38m/sで,腓腹神経SNAPは誘発されず.胸髄MRIには著変なかった.
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