連載 看護アセスメントの生理学的検証・6
糖尿病性自律神経障害患者の心拍変動に関する研究―(その1)自律神経の基礎知識
西村 ユミ
1
,
工藤 一彦
2,3
1日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程
2女子栄養大学
3防衛医科大学校
pp.462-471
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900659
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今なぜ自律神経か
本連載では,これまで主に循環生理機能評価法を用いた研究を取り上げ,測定および評価法について解説してきた.最初に循環機能に注目したのは,看護婦が日常的に実施しているバイタルサインズの項目と一致し,また救命救急の現場において最も重要な指標となるためであり,習得すべきアセスメント技術として優先されると判断したからである.私たち看護婦にとってこれらの技術は,対象者の日常生活活動に潜む危険を素早く,かつ正確にキャッチするための手段といえよう.
今回から3回にわたり,看護領域において注目されはじめており,研究やアセスメントの新たな手段となり得る生理機能評価法の1つである「自律神経機能評価法」について検討する.自律神経機能評価法が,実際に私たちの新たな武器となるか否かの議論は,本連載の最後までおあずけとしておくが,本法に対する期待が大きいことは事実である.
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