ひまわり
今頃の若い人は……というけれど
野村 光子
1
1国立指宿病院小児科病棟
pp.434-435
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900654
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20数年という長い間,看護という仕事を続ける中で,患者さんをはじめ,仲間の看護婦や医師など,いろいろな人に出会ってきた.そんな中で,Kさんとの出会いは,いささかショックだった.
私は,自分自身が人のことや物事の道理がわかってきたのがずいぶん遅かったし,看護する喜びみたいなものがわかったのも遅かったので,看護婦もある程度経験を積み年齢を重ねなければ,いろいろなことを理解できないのだと長いこと思っていた.ところがKさんは違った.卒後2年にならない彼女とはわずか4か月しか一緒に仕事をしなかったが,印象深く忘れられない.Kさんの真摯なまでの患者さんへの関わりは,いつも私の胸を打つ.どうしてこの若さでそれが可能なのか,羨望の気持ちまで抱いてしまいそうである.経験を積んだ私たちでさえ逃げ出したくなるような,がん末期の患者さんへの関わりの2つの場面を,Kさんから承諾を得たので,ケースレポートから紹介しよう.
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