特集 発展する固定チームナーシング(継続受持ち方式)
小集団活動のメリットを生かして―固定チームナーシング(継続受持ち方式)の基本
西元 勝子
1
,
杉野 元子
2
1滋賀医科大学医学部看護学科
2看護組織開発研究所
pp.86-91
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900610
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はじめに
看護提供方式とは,看護を提供する方法論であり,その取り組みは,看護サービスを実践するためのシステムづくりである.看護の対象は,複雑で多様なニーズをもつ個人,あるいは集団であるが,条件の限られた現状において,対象のニーズに応えていきたいと看護職であれば誰もが願う.この「対象のニーズに応えたい」という看護の理念を,看護チーム全員が現状にそつて具現化し,共有していくことが,看護提供方式を決定していくことであると考える.
一方,看護とは,対象である個人や集団(家族)の暮らしを中心に,それぞれの対象の安全・安楽・自立に向けて,健康問題に関わっていくことであると考える.個人や集団の暮らしが見える関わりのためには,毎日受持ち患者が変わる日替わりのチーム活動では不十分である.さらにその個人や集団のQOLは,看護者との関係が深まってこそ理解され得るものであり,医療チームの価値観で一方的に決められるものではない.
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