教育レポート
—某私立学校における—学校保健業務の実態とその問題点
金井 和子
pp.56-62
発行日 1967年11月1日
Published Date 1967/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908894
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1.はじめに
私の勤務している学校は私立の中学校,高等学校の男子校で,生徒数およそ2000,教職員90,養護教諭は私一人である。学校(東京大学医学部衛生看護科)を卒業した当時,臨床看護の仕事に追われるのあまり,患者のみならず自分をも見つめる時間的余裕の無いあり方に失望し,養護教諭として学校保健の道へ進んだが,しかしそことても安住の地ではなく,やはり種々の問題を抱えているのであった。
およそ学校保健は,その実践方法や解釈の仕方が,各学校やまたその長に当る者の考え方や,学校保健に対する理解度で大きな差があり,さらには学校長の関心と熱心とによってその成否を左右されるといわれている。私には公立学校の経験がないので比較することは出来ないが,公立学校の養護教諭の方の話や,また書かれたものを読んでみて,わが校の学校保健のあり方が特異に思われるので,以下これについてわが校の現状をありのままに述べてその問題点をさぐってみたい。
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