特集 外因死の予防
都市化と交通事故—その実態と問題点
東田 敏夫
1
,
中平 進一
2
1関西医大・公衆衛生
2関西医大公衆衛生学教室
pp.252-258
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203868
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1968年の全国交通事故発生数は63万件を越し,死傷者数84万人,うち死亡1万4000人,史上最高を記録した.前年に対する増加率は,件数で22%.死傷者で26%であり,3年間に倍増した(表1).
太平洋戦争4年間の死傷者は186万人であったが,現代の交通戦争による国民の犠牲は68年までの4年間に250万人に達している.ある推計によると,今後10年間に交通事故により,同胞37万人(静岡市,あるいは新潟市の人口に相当する)が殺され,1000万人,全東京都民相当数が傷つくだろうという.交通事故によるおびただしい同胞の生命と健康の破壊,これに続く生活の破壊は,今後,はたして減少しうる見込みがあるだろうか.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.