特集 臨床実習の課題と展望
北海道における臨床実習指導の実態と問題点
湯元 均
1,2
Yumoto Hitoshi
1,2
1時計台病院リハビリテーション部
2北海道理学療法士会学術局
pp.170-175
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105507
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1.はじめに
全国的に理学療法士の養成機関が急増した現在,臨床教育の場である医療機関においても大きな問題となってきており,このことは北海道においても例外ではない.1999年10月現在,道内の教育機関は4年制大学1校,3年制短期大学1校,4年制専門学校3校,3年制専門学校1校の6教育機関があり入学定員は200名となっている.また,2000年度より3年制専門学校に入学定員30名の4年制夜間部が併設されることに決定しており,入学定員40名の新設専門学校開設も噂されている.
一方,北海道理学療法士会(以下,北海道士会)会員は1999年10月現在879名を数え,指定実習施設になりうる医療関連機関は199か所であり,3年以上の臨床経験者は437名である.しかしながら,これらすべての機関において受け入れる条件が整っている訳ではなく,施設長の考え方や現場の考え方によってかなり制限される.また,依頼側である養成校の考え方によっても左右される.近年,学生の質の低下について囁かれているが,指導者側の立場にある我々も様々な学生に対して,教えるだけではなく育てることのできる指導方法を工夫し続けなければならない.
北海道士会では,急増した養成機関に対応している臨床実習指導者に対して指導者の実態を調査するとともに,その結果をもとに6養成校教員との座談会を開催した1).これらの結果を踏まえ,現在抱えている臨床実習指導の問題点を主に指導者側から整理し,検討を加えたい.
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