研究・調査・実践 急性期の高齢患者のケアのあり方に関する研究・1
高機能総合病院における患者の高齢化に伴う看護の現状分析
眞嶋 朋子
1
,
中西 睦子
2
,
松岡 恵
3
,
前田 夏実
4
1日本赤十字看護大学
2広島大学医学部保健学科
3東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
4帝京平成短期大学
pp.372-377
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900134
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
以上を要約すると,
1)看護体制の実態でみた範囲では,とくに集中治療を行なう病棟の病床稼働率の高さ,高齢患者の多さ,とりわけ高齢患者の起こす事故件数の多さが目だっている.
2)看護婦の治療処置関与の度合は,とくに集中治療を行なう病棟で「実施」と「状況判断」に関して大きい.
3)高齢患者のケアニードについては,とくに集中治療を行なう病棟のそれが高い.さらに,1)と 2)ならびに 3)の関係を調べた結果,以下の3点が示唆されている.
1)高度医療の現場では,一般病棟のように夜勤の看護体制を薄くすることが看護婦の負担を大きくしている.
2)質の高い看護を行なうためには,その日の患者のケアニードに応じて看護スタッフを適切に配置するなど流動的なスタッフィングを考えていく必要性が大きい.
3)現在の医療施設は高齢者の安全上問題が多く,そのため看護に対する負荷も大きい.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.