連載 1人ひとりの看護実践論と概念化能力を育む・1【新連載】
生き生きと働くために必要なこだわりの看護と概念化能力
本舘 教子
1
,
津田 泰伸
1,2
1聖マリアンナ医科大学病院 看護部
2聖マリアンナ医科大学病院 TQM室
pp.320-325
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686202635
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はじめに
2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応は,IT技術や限られた人的・物的な資源をいかに有効活用していくのかという課題を私たちに突き付けたのと同時に,看護の在りよう,価値を問うものであったように思います。まさに,今はVUCA註1)の時代。先行きが不透明で将来の予測が困難な社会であり,市場,組織,個人などあらゆるものを取り巻く環境は変化しています。そして個人の価値観の多様化も加速しており,看護の現場は以前よりも複雑さを増しています。
このような状況下で,私たちは健康課題を抱えた人々へ看護を提供していくわけですが,高速回転の現場に流され,ただ業務をこなしているだけと感じている看護師も多いのかもしれません。看護師が能力を高め,生き生きと働き続けるためにはどうすればよいのでしょうか。私は,「自身のこだわりの看護を見つけ出すこと」が鍵の1つになると考えます。
連載の初めとなる今回は,看護師が生き生きと働き続けるために必要だと私が考え,聖マリアンナ医科大学病院(以下,当院)でも大切にしているこだわりの看護と概念化能力について,その背景も含めて解説します。
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