連載 「看護」の意味を見つめる 訪問看護の実践から・4
「死にたい」の向こう側・後編
藤田 愛
1
1医療法人社団慈恵会 北須磨訪問看護・リハビリセンター
pp.780-782
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201369
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(前号からの続き)
パーキンソン病の咲子さん(仮名)は病気の進行や要介護状態になっていくことを苦にして,死にたいと思うようになった。「何が叶わなくて死にたいと思うのですか」という私の問いかけに,「誰にも必要とされず,このまま寝たきりになりお世話になる人生なんて耐えられない」と語った。私は咲子さんが家族に必要とされていることを実感できる場面を探し,一緒に家族の夕食づくりを始めた。家族は「お母さんのごはん久しぶり。やっぱりお母さんの作ったごはんが一番おいしい」と喜んだ。食事作りはこの後の咲子さんの生き方を変えていくことになる。
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