連載 「看護」の意味を見つめる 訪問看護の実践から・3
「死にたい」の向こう側・前編
藤田 愛
1
1医療法人社団慈恵会 北須磨訪問看護・リハビリセンター
pp.664-666
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201340
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看護の必要性を見いだせず,理学療法士のみの訪問から始まる
今回は,まだ1年目の新人訪問看護師だった頃に担当した咲子さん(仮名)を紹介する。
誰にでもありそうな50代の「あれ,最近よく転ぶ」。回数が増え,歩きにくさも加わった。整形外科から始まり,あちらこちらに受診した末に,神経内科でパーキンソン病と診断された。進行はゆっくりだったが少しずつ誰かに手伝ってもらうことが増えた。移動は時間をかけての四つ這い。身の回りのことはすっかり夫とヘルパーのお世話の体制ができていた。咲子さんは無口で心も閉ざしていた。
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