実践報告
脳神経外科における離島への転院搬送同伴を中心としたNPの活動—地域特性を踏まえた特定行為実践を考える
森塚 倫也
1
,
川原 一郎
1
,
本田 和也
1
,
伊藤 健大
1
,
松尾 彩香
1
,
日宇 健
1
,
小野 智憲
1
,
原口 渉
1
,
牛島 隆二郎
1
,
堤 圭介
1
1国立病院機構長崎医療センター 脳神経外科
pp.1144-1147
発行日 2019年12月10日
Published Date 2019/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201467
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はじめに
脳神経外科領域の特性として,意識障害や四肢麻痺,嚥下障害などにより日常生活動作に介助を要する重症患者が多いという点が挙げられる。そのため,多職種で構成された医療チームが,いかにして迅速かつ安全に検査・急性期治療を行い,自宅への退院もしくは回復期病院への転院に導いて行くかが極めて重要である。
長崎県は全国一の離島県である。そのため,国立病院機構長崎医療センター(以下,当院)は,離島診療における基幹病院としての役割を担っており,離島で発症した脳外科救急患者は,ヘリコプター(以下,ヘリ)にて当院へ搬送される。しかし,急性期治療を終えた離島患者の帰島へ向けた転院調整は,近隣地域への陸路搬送とは異なり難航する場合が多い。脳神経外科領域における諸問題に対して種々の対策が必要となってくるが,その1つとして当院では大学院NP(診療看護師)教育課程修了者(以下,NP)注)の介入がある。
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