連載 キャリア形成に悩むあなたのためのリレーエッセイ わたしの師長時代・12
役割を言語化する,先と外を見て成果を出す
勝見 真澄
1
1札幌市病院局 市立札幌病院 看護部
pp.340
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200949
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私の看護師長としてのスタートは,看護相談室(現在の地域連携センターの前身)である。看護相談室が1看護単位として独立し,私は初代の看護師長となった。副看護師長として5年半病棟に勤務する中,看護相談室を活用する機会が多くその存在意義の大きさを痛感しており,看護師長としての重責に不安が大きかったことを覚えている。1つの組織を管理する責任,経験のない退院調整や転院調整,在宅支援という業務の習得,地域医療機関や地域のケアスタッフとの関わりなど,戸惑うことが多かった。
そんな私を見て,尊敬する先輩からいただいた言葉が今も忘れられない。「新しい組織をつくる,やりがいのある仕事だね」。そして恩師には「初めから100%の力を出さず60%の力でやれば,あなたなら大丈夫」。これらの言葉で私は前を向くことができ,「できるだろうか」から「苦しみは成長の機会であり,どんな状況でもできることはある,自分ができることをやろう」と考え方が変わった。その後は,意欲的に看護相談室が目指す看護の言語化,体制整備に取り組み,スタッフとともに院内外の多職種と連携しながら患者の希望する療養生活を支援した。
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