特別記事
院内SE配置の意義と役割―病院のIT化を成果あるものとするために
佐藤 智則
1
1財団法人脳血管研究所美原記念病院システム管理課
pp.58-63
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100010
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この10年でIT(Information Technology)は飛躍的な進歩を遂げ,IT業界は電子化による業務改善を目的としたeビジネスを構築するため,さまざまな業種に対応した,多種多様なシステムをつくってきた。この波は,人の生命を預かる病院をはじめとした医療業界にまで及んできている。
では,便利なツールとしてITシステムを導入すれば,何事もすべてうまくいくといえるのか? 答えはノーである。ITシステム側にも人間側にも問題があると考えるべきであり,双方が歩み寄らなければならない。すべてをシステムに頼るのではなく,ITは万能ではないことを前提に置き,システムが不利な部分は人間が補完する,という視点が必要なのである。つまり人とITという,いわば“異文化”間での相互理解が必要不可欠で,異文化同士が融合することではじめて,人にとって便利なツールができることになり,初めてITシステムは意味のあるものになる。
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