特集 2025年に伝えたい看護 医療の変革期を支えながら,未来につなげる新たなケアの創造を
多様性を受容し活用する看護マネジメント—「その人らしい幸せな人生の追求」を支援するために
林 千冬
1
1神戸市看護大学 基盤看護学領域 看護管理学分野
pp.45-47
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200622
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多様性を受け容れ,活かす
2025年は目前である。少子高齢多死社会に突入し,社会保障制度の持続可能性が問われ,医療経営をめぐる状況もますます厳しさを増すだろう。しかし,どんな時代にあっても,私たち看護職者は,人々の日々のくらしを支え,その人らしい幸せな人生の追求を支援することを役割の中心に据えていたい。そのためのマネジメントの鍵として,私は「多様性の受容と活用」(Diversity&Inclusion)をあげたい。近年よく言われる「ダイバーシティ・マネジメント」である。
今日,医療・看護のあらゆる面で多様化が進んでいる。サービス提供の場は,病院から地域という多様性に満ちた場へとシフトしている。医療・看護の利用者である人々も,医療・看護を提供する人々も多様化している。加えて言うなら,これらを取り巻く社会制度や政治・政策もまた,国家の単位を超え地球規模で多様化している。こうした多様性を積極的に受け容れ,看護ケアをより深く強固なものにするためのマネジメントの課題とは何だろうか。
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