連載 病棟運営上の意思決定に活かす! ケースで学ぶロジカルシンキング・2
離職理由はさまざま—ロジックツリーを使って「退職者の発生要因」をロジカルに考える
石井 富美
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1よどきり医療と介護のまちづくり株式会社 管理部
pp.1128-1131
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200606
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ロジカルシンキングとは,「全体像を把握して,問題の要因について筋道を立てて説明していくこと」であると前回お伝えしました。今回は少し具体的な内容でロジカルに考えてみましょう。
看護部に限らず,病院で働く専門職には一定の割合で離職者が出ますが,これは専門職の特性であると思います。1つの病院だけでは全ての領域の症例に携わることはできないのが一般的ですから,スキルアップのために特色が違ういくつかの病院で経験を積むという働き方を選択される方も多いようです。そのような前向きな転職については積極的に応援したい気持ちにもなりますし,大きく成長してまた帰ってきてくれれば,という期待も込めて送り出すこともありました。しかし,職場環境や人間関係が要因でやむなく転職していく方もあり,何らかの対策を講じる必要を感じることもしばしばあります。スキルアップのための離職は必要ですが,体制や職場環境が要因の,気分転換的な離職は本人にも病院にもダメージが大きいのではないでしょうか。
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