連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・126
不条理な悲しみの深い意味
柳田 邦男
pp.1132-1133
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200607
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人がこの世に生まれてからあの世に旅立つまでの長い歳月の中では,「ああすればよかった」「こうすればよかった」と悔やまれることや,「なんで私が」とか「そんなつもりじゃなかったのに」と無念の思いや悲しみに駆られて落ち込んでしまうことが少なくない。
もともと人生というものは,「こうすればこうなる」というぐあいに,思い通りにはならないほうが多いと考えたほうがよいのだと,私は思っている。そのことを学んでいくのが人生というものだろう。そういう学びは,実は子ども時代から始まるのだということを,絵本や童話を読む子どもたちの反応を見ているとよくわかる。
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