連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・122
人は木々を育て,木々に育まれる
柳田 邦男
pp.652-653
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200503
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自分の生まれ育ちを思い起こすとき,私はのんびりとした田舎町で幼少期を過ごすことができて,ほんとうによかったと思う。
私が生まれたのは,関東平野が終わるあたり,栃木県の鹿沼町(現在は市)で,人口は私の子どもの頃には2万人位。宇都宮市の西に位置し,町の南側は田んぼが広がっているが,西側から北方にかけては,里山が連なっている。わが家は市街地の南端にあったので,庭の向こうは広々とした田んぼが遠くまで続いていて,夏には緑一色,秋には黄金色に輝いた。
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