連載 看護事故の舞台裏・24【最終回】
消毒薬誤注射事件
長野 展久
1
1東京海上日動メディカルサービス医療本部
pp.1148-1151
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200352
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医療事故が大きく取りざたされるきっかけとなった重大事件の1つが,1999年2月にH病院で発生した消毒薬ヒビテン・グルコネート液の誤注射事故です。他の患者に使用するはずだった消毒薬を,別の患者の静脈内に注射したというミスであり,注射直後に静脈塞栓から肺血栓塞栓症を発症して患者は急死,病院側の過失責任が大きく問われました。当事者となった看護師には刑事裁判で執行猶予付きの禁固刑が言い渡され,病院長や主治医は医師法違反,虚偽有印公文書作成および同行使罪で有罪となり,医療界全体に激震が走りました。
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