連載 看護管理の現場を紐解く ミッションを共有し,ともに価値を創り出す組織を目指して・12
共鳴を呼ぶ語り
武村 雪絵
1
1東京大学医科学研究所附属病院
pp.256-259
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200147
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多様性・多面性と自己決定の尊重
10月号(第7回)から5回にわたって,「人間観の変遷とマネジメント論の変遷」と題して,近代からポストモダン,そしてその後へと社会が推移していく中で「人」という存在の捉え方が変化し,働く人自身の価値観も変わり,その結果,「人」への影響の与え方でもあるマネジメント論も変遷していることを紹介した。
ポストモダンの延長,あるいは次のステージに入っている今,世界で支配的な価値観や人間観がどのようなものなのか,社会学者でもない私にはよく分からない。しかし,1970年代に右肩上がりに成長する時代が終わり,科学の進歩は決して万能ではなく,人類に幸福だけをもたらすわけではないことを知った人々が,物質的な豊かさだけでなく精神的な豊かさや倫理性を求めるようになった流れは,今も続いていると感じる。
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