調査報告
新人看護職員の職業継続に影響する要因―「二次元レジリエンス要因尺度」を使用した1684名の調査から
高口 みさき
1
,
伊藤 やよい
2
,
渡邉 裕之
2
,
盛田 吉子
2
1愛知県立総合看護専門学校
2愛知県健康福祉部健康担当局医務国保課看護対策グループ
pp.282-288
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686103031
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はじめに
新卒看護職員の入職後1年以内の離職率は,「2011年病院看護実態調査」1)によれば,2010年は全体で8.1%,愛知県で7.1%となっており,減少傾向ではあるが,いまだ多くの新人看護職員が早期に離職している。
また,厚生労働省において,2010年度実施された「看護職員就業状況等実態調査」2)によれば,「看護職員として就業していない者で看護職員の通算就業年数が1年未満の者は『看護職員以外として働きたい』との回答が多く,新人看護職員の定着促進も課題」との結果も出されている。
平野は,「ストレスフルな出来事によって傷ついても,そこから立ち直っていく精神的な回復力のことをレジリエンス(resilience)と呼ぶ」3)と述べている。本調査では,看護師等学校養成所を卒業して1年間仕事を継続した,卒後2年目の看護職員を「1年間職業を継続してきた人」として捉え,その継続要因を知るために二次元レジリエンス要因の平均得点を分析した。
また,「看護職をやめたいと思っている人」とそうでない人の違いを知るため,両群の項目ごとの得点についてMan-WhitneyのU検定を用いて比較し,職業継続に影響するレジリエンス要因の抽出を試みたので報告する。
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