特集 地球温暖化対策—2020年以降の新たな国際枠組み
地球温暖化の要因と社会への影響
横畠 徳太
1
1国立研究開発法人国立環境研究所地球環境研究センター
pp.974-980
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208792
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地球は温暖化しているのか
気象庁のデータによると,世界の年平均気温は,統計を開始した1891年から2016年までに0.91℃程度上昇したと報告されています(図1)1).2016年は統計開始以降,最も世界平均気温が高い年となりました.
実は,2000年から2013年くらいまでの間は,気温の上昇がとても緩やかになりました.この期間は「地球温暖化の停滞期」(ハイエイタス)と呼ばれています.しかし,2015年には大きく気温が上昇し,停滞期は終わったようにみえます.地球温暖化の停滞は,海洋に熱が蓄積されたために起こった,というのが一つの説です2).世界平均気温は変動をしながらも,20世紀に入ってから徐々に上昇しています.気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)第5次評価報告書3)は「過去の気温上昇は人間活動によって生じた可能性が極めて高い」としています.
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