整形トピックス
Forgotten hipに影響する要因
平澤 直之
1
,
仲山 勉
1
1北水会記念病院整形外科
pp.1158-1158
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1158
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従来人工関節の目的といえば,痛みを緩和させること,可動域を改善させること,脚長差を補正すること,そして最終的に日常生活動作(ADL)を改善することとされてきた.それゆえ,JOAスコアやHarris Hip Scoreなどの各種スコアは,まさにそれを評価するものであった.昨今,WOMAC,SF-36,HOOS,JHEQなど各種患者立脚型評価が使用されるようになり,当院においてもJHEQなどを用いることもあるが,やはり評価する主要な内容は大きく変化していない.他方,医療技術の進歩により人工関節の成績は飛躍的に向上している.人工股関節全置換術(THA)においては,最小侵襲手術(MIS)の普及により軟部組織への侵襲は低減され,術前計画ソフトやナビゲーションを使用することにより脱臼率も低下し,目標どおりの脚長を獲得できるようになってきている.結果として,THAの臨床成績を評価する際にこれらの評価法を用いると,術前に比べてほぼ全例で改善する状況が生まれており,評価法としてはたして適しているのか疑問が生じている.
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