書評
看護管理者のコンピテンシー・モデル―開発から運用まで
武村 雪絵
1
1東京大学医科学研究所附属病院
pp.1168
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102968
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効果的に成果を生み出す「行動や思考の方法」コンピテンシーを身につける
スペンサーらの著書『コンピテンシー・マネジメントの展開』(生産性出版,2011)によると,コンピテンシーとは,「ある職務または状況に対し,基準に照らして効果的,あるいは卓越した業績を生む原因として関わっている個人の根源的特性」である。根源的特性とは,「さまざまな状況を超えて,かなり長期間にわたり,一貫性をもって示される行動や思考の方法」を指す。
看護師長や主任などの看護管理者は,患者のために質の高い看護/医療サービスを提供すること,看護職のために生活と健康を守りながらキャリア発達を支援すること,組織や地域のために病床や医療従事者を含む医療資源を効果的に利用することなど,さまざまな成果を出すことが求められる。これらの成果を生み出す「行動や思考の方法」,すなわち管理者のコンピテンシーを身につけることは,成果を出すための効果的で効率的な手段だといえる。管理に必要な知識や理論,方法論を体系的に学び,日常の実践と関連づけることももちろん必要だが,知識を得ることとコンピテンシーを身につけることは別である。
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