連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・83
ほのぼのって、ラブストーリーでは
柳田 邦男
pp.228-229
発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102725
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ほのぼの─この言葉は,最近“死語”というほどではないにしても,あまり耳にしなくなったように思う。かつては,新聞や雑誌の連載漫画のなかに,ほのぼのとした人物を主人公にしたものや,ほのぼのとした小咄風のものが多かった。朝起きて,まず新聞漫画を読むのが習慣になっているという人が少なくなかった。1日の始まりに,ほのぼのとした気分になって出かけるのと,前日の疲れを引きずって出かけるのとでは,1日の仕事への向き合い方が違ってくるだろう。
最近のように,成果主義だの効率だのという言葉が闊歩して,ギスギスした空気に世の中が支配されていると,ほのぼのとした話題が稀少価値になっているように思えるのは,私自身が疲れているせいだろうか。
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