私たちの本棚
ほのぼのと残る女性像—女性のやさしさ120章/女性のかしこさ120章/女性のすなおさ120章—堀 寿子 著
鈴木 節子
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1横須賀共済病院中央検査科
pp.608
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203093
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勤めの帰りが遅いことが多く,本屋が開いている時刻に通りかかることが少ないので,開いていると入ってしまうのが癖になっています.読書の傾向は,などと立派なことは何もいえません.全く行き当たりばったりですが,最近読んだものといえば鈴木健二の『気くばりのすすめ』続編とか,佐々淳行の『危機管理のノウハウ』などです.『なぞなぞ大事典1000問』なんてのも大好きで,解きながら食事の仕度をするのは最高の時間帯です.
つい先日,例のごとく,ふらりと立ち寄った本屋で,表記の三部作が目に入りました.下重暁子の解説に,堀寿子が『ジェーンエア』や足ながおじさんの翻訳者でもあると書かれているのを読んだとき,一瞬タイムカプセルに入った心境になりました.連想ゲームよろしく,ジェーンエア→著者のシャーロットブロンテ→ブロンテ三姉妹↓さやかな詩情→エニシダの咲きみだれる荒野→嵐が丘にも描写されている瓢々とした風景の中に展開される感性豊かな,そして力強く美しい女性が浮かんできました.高校時代に熱中して読み耽った数々の本.当時の訳者は誰だったか覚えていませんが,その本を訳した堀寿子という人は,彼女の言葉で主人公たちを生き生きと美しく表現されたことと思います.その訳者自身が女性について綴ったとしたら「何かあるかもしれない」と思いました.
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