連載 介護保険下の公衆衛生活動を考える・23
ラブストーリーを君に
関 なおみ
1,2
1順天堂大学医学部公衆衛生学教室大学院
2前東京都豊島区中央保健福祉センター
キーワード:
路上生活者
,
ナラティブセラピー
,
ピアカウンセリング
Keyword:
路上生活者
,
ナラティブセラピー
,
ピアカウンセリング
pp.141-144
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100571
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日本都市部の路上生活者の現状
「ホームレス(路上生活者,野宿者,屋外生活者と同義)」を「公園,道路,河川敷,駅舎等,公共の空間で,テントや小屋を建てる,もしくはダンボールを敷いて寝泊まりをするなどして日常の生活を送っている人々の総称」と定義した場合,2001年9月末現在,全国で約2万人,東京都23区内で約5,600人が,都心区から周辺区まで広範囲にわたり,公園,河川敷などで生活をしていると報告されている.この人数は5年間で1.7倍に急増しており,大都市の構造的な問題とされている.路上生活者の生活圏の9割が大都市に集中し,豊島区にも池袋駅周辺を中心に,目測で200名程度の路上生活者が暮らしている.豊島区は大規模な公園がなく,小さい公園が区内に点在しているのだが,これに合わせて路上生活者も集団を作らずに,個々の公園で暮らしていることが特徴である.
このような路上生活者に対し,区行政は交通機関,公共施設,警察,消防などと共同で,昭和63年より路上生活者対策連絡協議会を設置し,年に2回(以前は4回)公園等で,路上生活者特別対策を行っている.
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