連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・51
子どもの心が成長する瞬間―『よかったなあ,かあちゃん』『いつか空のうえで』
柳田 邦男
pp.78-79
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101666
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子どもが幼少期から少年期にかけて出会う出来事や体験することは,感性のみずみずしさゆえに,驚きや感動に満ちていて,その一つひとつが心の成長をもたらすものだ。
母親に読んでもらった絵本の感動,父親と一緒に山に登ったときの克服感,学校で5キロ・マラソンを走りきったときの達成感,物語を読みふけって涙を流したときに心に満ちてきたやさしくなれる気持ちなど,そういう体験をするたびに,階段を1段ずつ登るように,心が成長し,やがて大人になってから出会うさまざまな困難や悲しみや対人関係の問題などに対処できるだけの人格形成が行なわれていくのだ。
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