連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・78
子どもの心を汲み取るとは
柳田 邦男
pp.810-811
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102544
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少子化時代のお母さんは,子育てが大変だ。もちろん夫の協力があるだろうが,夫は仕事があるから,十分に子育てに関われない。そんななかで,お母さんはついイライラして,子どもにガミガミ言ってしまう。しかし,絵本の読み聞かせをするときだけは,自分も絵本の世界に引き込まれて穏やかな気持ちになり,子どもも熱心に耳を傾け絵を見つめるので,気がつけば自分の心が癒されている。そんな便りを,ときどき子育て中のお母さんからいただく。
忙しい忙しいとばかり思っていると,子どもの心を汲み取って,うまく対処してやることができなくなりがちだ。そんなとき,ここに取り上げる絵本を読んでみてはどうだろうか。もちろん子どもに読み聞かせすれば,子どもは子どもなりに面白がるのだけれど,自分も聞く側になったつもりでストーリーを追うと,わが身に響くものを感じるに違いない。
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