書評
質的統合法入門―考え方と手順
陣田 泰子
1
1済生会横浜市南部病院
pp.796
発行日 2012年8月10日
Published Date 2012/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102537
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問題解決を深めながら「臨床の知」を可視化する
質的統合法との出会い
私が前職だったとき,ある研修から戻った副部長が興奮しながら話しかけてきた。「思考の方法は3つあるんですよ! 陣田さんがいつも言ってる帰納法と,演繹法と発想法ですって!」
さっそく見せてもらった研修資料には,家のような形の図が描かれていた。「W型問題解決モデル」とよばれるそれは,私たちの問題解決における思考過程を示したモデルだった。臨床現場での体験から看護を考える「帰納的アプローチ」にこだわってきた私は,それがこのモデルで整理されたように思えて,「もっと知りたい!」と一気に資料を読み進めた。この研修の指導者が,本書の著者である山浦氏だった。「知の発見」が,これほど人を興奮させるのかとあらためて感じた出会いであった。
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