連載 政治と看護の話をしよう!・4
看護職の誇りを実感できる現場を取り戻すために全速で走る
石田 昌宏
pp.343
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102412
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「私は,病人やお年寄り,あるいは障害者の看護や介護に携わる職種がいわゆる3K職種の代表のようにいわれていることが残念でなりません。痛みや苦しみをもつ方々のお世話をし,励ますことのできる職業に就く人たち自らが,誇りをもち,意欲をもてるようにすることが,健全な社会として,まず大切なことだと考えます」。
これは,元参議院議員の清水嘉与子氏が本会議で当時の宮澤喜一総理大臣に対し発言したものだ。1992(平成4)年3月のことである。私はこの言葉を本会議場の傍聴席で,生の声として聴いた。まだ20代半ばのことだ。看護職は大変なのだから助けてくれ,というお涙頂戴の姿勢を否定し,「誇り」という言葉を政策の中心においたことに,背中がゾクゾクする想いを覚えた。このときから私は,「看護職が誇りをもつこと」を自分の仕事の中心において働いてきた。
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