連載 Will & Voice・3
市民が声を上げ,それに耳を傾ける文化をどう醸成するか―医療の制度や政策を変えるアメリカから
細田 満和子
1
1ハーバード公衆衛生大学院
pp.344-345
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102413
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ヘルスケア改革法案可決後のアメリカ
『パブリックヘルス 市民が変える医療社会─アメリカ医療改革の現場から』 (明石書店刊)は,ニューヨークとボストンに合わせて7年半住んだ筆者が,アメリカのヘルスケア改革,医療と社会との関係,患者運動などを間近に見て,思うところを綴ったレポートである。
外国に住むと,医療というのはそれぞれの国の政治や制度,人々の考え方や文化によって大きく異なるということをつくづく感じる。日本では国民皆保険制がとられており,基本的にすべての国民が健康保険に加入することになっている。一方で,アメリカでは2010年にヘルスケア改革法案が可決されるまで,健康保険に加入するか否かは個人の自由であった。
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