特別記事 実態・提案
在宅終末期医療に関わる訪問看護師の「死亡確認」に関する実態・提案―特定能力認証看護師の医行為
藤内 美保
1
,
桜井 礼子
2
,
草間 朋子
3
1大分県立看護科学大学 看護アセスメント学研究室
2大分県立看護科学大学 保健管理学研究室
3大分県立看護科学大学
pp.324-332
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102406
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緒言
わが国の高齢社会の課題の1つに死亡者数の増加がある。患者の9割は高齢者といわれ,死亡者数が年々増加し,2036年には170万人にのぼると推定されている1)。現在,死亡者の約8割が病院で死亡しており,自宅における死亡者は低い率で推移している。将来の見通しでは,今後病床数は増加せず,自宅での看取りが整備されない状況が続けば,40万~50万人もの人々の死に場所がないという課題2)が提示されている。
このような医療体制のなか,2006(平成18)年度の医療保健制度の改正により,在宅医療の中心的役割を担うために在宅療養支援診療所が設置されて以降,24時間在宅診療,在宅終末期総合医療などに対応可能な診療所や病院は増加傾向を示している3)。しかし,在宅における医療提供サービスが未だ十分とはいえない状況下では,急変時の不安,家族への負担といった思いから,安心して人生の最期を在宅で迎えることができない状況もある。
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