増刊号特集1 東日本大震災への医療支援の記録
日本赤十字社の取り組みと被災地からの報告
福島県で活動を続けるための拠点をつくる―班員の安全確保,活動の継続を証明するという使命も兼ね
村中 千栄子
1
1長浜赤十字病院 看護部
pp.656-658
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102129
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
継続的な活動をするための拠点づくり
長浜赤十字病院(以下,当院)医療救護班第3班は,福島県での救護活動が十分にできなかった初動班および第2班の状況を受け,院内の災害対策本部が日本赤十字社(以下,日赤本社)および日赤滋賀県支部との調整を行ない,福島県での救護活動を継続的に実施するための拠点をつくるという目的をもって出動することとなった。また,院内では,福島県での救護活動に対する不安が強く,継続的な出動が懸念される状況であったため,班員の安全を確保したうえで救護活動が展開できることを証明するという使命もあった。
救護班の構成は,医師2名(第1班で出動した救急医と小児科医)・看護師3名(こころのケア指導員1名含む)・主事2名(臨床工学技士・MSW)であった。出動前日のミーティングでは,班長である医師から放射線災害のこと,活動拠点となる会津若松市の状況,それまでの救護班の活動と当班の活動目的などの説明を受け,出動の意思確認が行なわれた。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.