増刊号特集1 東日本大震災への医療支援の記録
日本赤十字社の取り組みと被災地からの報告
トリアージより1人でも多くの診療を―災害急性期は状況の変化への対応が求められる
成田 和枝
1
1福井赤十字病院
pp.651-655
発行日 2011年7月26日
Published Date 2011/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102128
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陸前高田市に向けて出動
3月11日(金)14時46分頃,東日本を襲ったマグニチュード9.0の大地震,大津波が太平洋側海沿いの多くの町を飲みこんだ。日本赤十字社福井県支部(以下,日赤福井県支部)DMAT班はその3時間後に出動した。そして,私は日赤福井県支部3班救護班看護師長として医師,看護師,薬剤師,主事ら9名とともに3月17日の出動となった(表)。
17日午前中に帰福したばかりの第2班から電気は一部回復しているが,ガス,水道は止まったままであることや道路状況などの情報を得て,自分たちの食糧や日用品などの必要物品を揃え,17時20分に陸前高田市に向けて出発した。DMAT班や救護班第1班は救護地がまだ定まっていなかったが,第2班から日赤福井県支部救護班は日赤秋田県支部,日赤岐阜県支部と交替で陸前高田市(写真1)の救護にあたることになっていた。
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