連載 公論・私論・3
慢性期医療を再考する―求められる看護・ケアを含めた「診療の質」
矢野 諭
1,2
1日本慢性期医療協会「診療の質委員会」
2医療法人社団 青優会 南小樽病院
pp.250-251
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101992
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この数年で慢性期医療に到来した劇的な変化は,要約すると「担当医療領域の拡大・多様化」と「診療の質の確保への要請」である。慢性期病院の中心である療養病床には「一般病床は急性期病院,療養病床は慢性期病院で後者は前者より格下」という負のイメージを払拭する力が備わり,「一般病床と比べても遜色のない診療を行なっている」という自負が生まれている。2006(平成18)年の療養病床再編政策の導入だけではない,変化をもたらした他の背景・要因を分析することは,慢性期医療の必要性・重要性を再確認することにつながる。
本稿では「医療とは・病院とは」からスタートして,「診療の質」を中心に,社会情勢,医療経済,医療・介護供給体制,地域連携などの視点を加味して,「慢性期医療」を再考してみたい。
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