特集1 ナイティンゲール再考
実像のナイティンゲールを求めて―社会史研究からみたナイティンゲール再考
長島 伸一
1
1長野大学産業社会学部
pp.9-12
発行日 1995年1月25日
Published Date 1995/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901030
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フローレンス・ナイティンゲール(1820-1910)が上流階級の出身であり,クリミア戦争後の彼女の活動期がイギリスの最盛期(1850~70年代)と重なっている事実はよく知られていよう.しかし,彼女が自らの出自と大英帝国の行く末に対するラディカルな批判者であった点は,多くが語られているようには思えない.思うに,「クリミアの天使」像がひとり歩きしていることがその一因であろうが,ひとり歩きを支える看護教育の側にも責任の一端は免れえないのではないか.さしあたりまず,看護の門外漢の描く,もう1つのナイティンゲール像にも耳を傾けていただきたい.
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