連載 文部科学省「看護職キャリアシステム構築プラン」紹介!・3
滋賀医科大学―臨床教育看護師育成プラン──専門分野の知を結集し臨床看護教育者を育てる
藤野 みつ子
1
,
瀧川 薫
2
,
澤井 信江
2,3
1滋賀医科大学 医学部附属病院看護部
2滋賀医科大学 看護学科
3滋賀医科大学 医学部附属病院臨床看護教育センター
pp.252-255
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101993
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医療技術は日々進歩し,患者の高齢化や重症化,さらに医療安全に伴う看護師の責任も増大してきています。そのようななか,新人看護師の看護技術力と臨床現場で要求される実践力に大きな隔たりのあることが,看護界の課題となっています。
本事業の目的は,一般の看護師(ジェネラリスト)を教育する臨床教育看護師を育成することです。これまで臨床では,看護実践能力の維持や向上,後輩の育成について,各人の自己研鑽に委ねざるをえない傾向にありました。このような個人の努力に頼るのではなく,臨床教育看護師の育成に対して,組織として取り組むことが必要だと考えました。そこで,大学病院内に看護臨床教育センターを設置し,看護学だけではなく他の専門分野の知見や知識を取り入れ,学ぶことを支援するとともに,臨床実践能力の向上を目指した教育プログラムを開発・実施し,臨床教育看護師を育成することにしました。このプログラム修了後,認定された臨床教育看護師は,看護の質向上のために部署のジェネラリストの学びを支援していきます。
一方では,看護学科との人事交流を含め,看護学生や新人看護師に対する教育に協同連携体制を構築するというものです。
さらに,看護臨床教育センター内にキャリアカウンセラーを置き,キャリアパス(図1)に基づく看護師のキャリア支援も行なう予定です。将来的には,地域関連施設も含めた教育体制を構築し,滋賀県下の看護臨床教育センターとして貢献したいと考えています。
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