特集2 急性期病院におけるせん妄へのチームでの取り組み
薬剤師の立場から
「せん妄回診」における薬剤師の活動と役割拡大
内川 晶裕
1
,
田路 明美
1
,
三村 純子
2
1新日鐵広畑病院 薬剤部
2新日鐵広畑病院 前薬剤部
pp.230-231
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101984
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せん妄への処方は「適応外処方」──情報共有が求められる
せん妄は日内変動を呈し夜間に症状が増強することが多く,薬剤師が直接せん妄患者に接する機会は少ない。そのため薬剤部ではせん妄についての知識はほとんどなかった。また当院では精神科がいないためせん妄の治療としても使用される抗精神病薬や抗うつ薬についての処方も少なく,これらの薬剤について苦手意識があった。このような状況のなか,老人看護専門看護師(以下,老人看護CNS)の働きかけにより薬剤師もせん妄回診に参加することになった。
回診では,その場で薬剤の情報を提供するためにインタビューフォームや文献などの資料を持参し,回診で提案された薬剤についての特徴,薬物動態,相互作用などを「せん妄回診依頼書」のコメント部分へ記載することとした。せん妄治療について回診で学んだことは,薬剤部内で情報を共有するために毎週メールで回覧した。せん妄治療薬は「適応外使用」であり,適応症の用法・用量と異なることも多く,処方鑑査や薬剤管理指導業務においても情報の共有は必要であった。
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