特集2 急性期病院におけるせん妄へのチームでの取り組み
医療安全・看護管理者の立場から
医療安全の視点からみた「せん妄回診」
永良 直子
1,2
,
森田 泰子
1
1新日鐵広畑病院 看護部
2新日鐵広畑病院 医療安全管理室
pp.232-233
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101985
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「その人らしさ」を取り戻したせん妄回診
チューブ抜去や転倒転落は,当院のインシデント報告の上位を占めている。そのなかで,せん妄症状が,チューブ抜去や転倒転落に結びついた事例は少なくない。なんとかしなければと看護師が焦る気持ちがより患者を不安にさせ,最後の手段の抑制が,さらにせん妄症状を悪化させることもあり,患者に不利益を与えることもあった。
「なんとかしたい。でも,どうしようもない」。そんな看護師の焦りに応えてくれたのが「せん妄回診」である。患者個々に合わせた(原疾患とせん妄症状との影響度合い,薬剤の相互作用,患者の現症状をあわせて評価)介入のアドバイスを行ない,さらに毎週フォローをする仕組みはPDCA〔Plan計画→Do実行→Check評価→Act改善〕そのものであり,患者がその人らしさを取り戻す結果となった。
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