連載 公論・私論・2
あらためて地域連携を考える―在宅医が急性期病院に期待すること
川越 正平
1
1あおぞら診療所
pp.152-153
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101960
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急性期病院から地域へ
今日,急性期病院だけで医療が完結できない病態や患者背景が増えている。一命はとりとめたが重度の後遺障害が残った患者,急性増悪に対応することはできたが今後も慢性化した複数の病態を抱えて療養を継続する必要がある患者など,そのような例は枚挙にいとまがない。急性期病院を退院する患者の行き先には,回復期リハビリ病棟,緩和ケア病棟,療養型病床,老人保健施設,居住系施設,在宅などがある。それぞれの連携先の特性に加えて地域ごとに考慮すべき事情なども踏まえ周到に対応できなければ,結果的に入院が長期化し病院経営にマイナスの影響を及ぼすのみならず,次なる急性期治療の対象患者が入院できないなどの地域住民の不利益をも生じかねない。
そうであるがゆえに,病診連携をはじめとした地域連携が重要であることは論を待たない。この小論では詳述できないが,これからの最重要キーワードの一つに専門職種間連携協働interprofessional working(IPW)があり,今後このIPWがチーム医療・ケア,そして地域連携の推進エンジンとなることを指摘しておきたい。
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