特集 がん患者のシームレスな療養支援体制づくりに向けて
がん看護への期待―がん診療連携拠点病院運営の経験から
山口 建
1
1静岡県立静岡がんセンター
pp.466-471
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101753
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設置の背景,現状と課題
がん診療連携拠点病院は,国民がどの地域に居住していてもレベルの高いがん医療を受けられることを目的に,2001(平成13)年度に創設された制度である。現在,都道府県がん診療連携拠点病院(以下,都道府県拠点)51施設,地域がん診療連携拠点病院(以下,地域拠点)324施設,合わせて375施設が厚生労働省の指定を受け,活動を続けている。厚生労働省に設置された「がん診療連携拠点病院の指定に関する検討会」の委員の一人として,拠点病院の活動における看護の役割を中心に述べてみたい。
2008(平成20)年3月に定められた「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」によって,この指定要件が規定されている。主な機能として,①代表的ながんについて,標準的・集学的治療やセカンドオピニオンを実践するための診療機能を有すること,②地域のがん患者が最善の治療や緩和ケアを受けられるために,地域の医療資源や行政などとの連携を深めること,③地域の医療関係者に対する研修や地域住民に対する啓発活動を実践すること,④相談支援センターを運営し,患者・家族からのさまざまな相談に対応すること,⑤国や都道府県からのがん情報を医療関係者や住民に提供すること,⑥院内がん登録を実施すること,などが挙げられる。
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