特集 がん対策・1
がん診療連携拠点病院制度について
厚生労働省健康局総務課がん対策推進室
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1厚生労働省健康局総務課がん対策推進室
pp.11-15
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100312
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経緯
わが国において,がんによる死亡は昭和56年以降死因の第1位を占めており,国民にとっても重要な健康課題となっている.このため平成13年度より豊かで活力ある長寿社会を目指して開始されたメディカル・フロンティア戦略の中で,質の高いがん医療の全国的な均てんのため,臨床研究等を推進するとともに,地域におけるがん診療連携を推進するための拠点病院を設ける等の施策を実施すべきとされた.特にこの拠点病院の在り方については,検討会を経て,平成13年より「地域がん診療拠点病院」として指定されることになった.
その後,平成15年7月25日に文部科学大臣,厚生労働大臣の合意により,がんの罹患率と死亡率の激減を目指した平成16年度から平成25年度までの国の大規模プロジェクトとして,「第3次対がん10か年総合戦略」が策定され,「がん研究の推進」,「がん予防の推進」,「がん医療の向上とそれを支える社会環境の整備」を柱として推進することとされた.特に,がん医療水準の「均てん化」(全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう,医療技術等の格差の是正を図ること)などにより,がんの罹患率と死亡率の激減を目指すこととされ,こうしたがん医療水準の均てん化に向けた取り組みを推進することは,政府のみならず,医療関係者や研究者,教育機関等が一丸となって取り組むべき重要な課題として掲げられた.
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