特集 がん患者のシームレスな療養支援体制づくりに向けて
がん患者の在宅療養を支える―看護の視点を活かし,生活の場につなぐ支援を
宇都宮 宏子
1
1京都大学医学部附属病院 地域ネットワーク医療部
pp.472-475
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101754
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家に帰って,最期を迎えたい,という願い
2002(平成14)年の7月に,退院調整看護師として着任して8年が過ぎようとしている。
「もう治療法がないなら,孫のいる家に帰りたい」と,涙を見せた患者さんのことで看護師から,「寝たきりで,痛みもあるし,お嫁さんはいるけど子育てもあるし,無理ですかね?」と,着任して早々相談が入った。病棟へ――患者に会い,情報を取りに行こうとした時に「ご相談したいと,地域ネットのドアをたたいたのが,この患者さんのお嫁さん。「患者さんが帰りたくて,家族も待っているなら,大丈夫。帰れるよ」と動き始めた“在宅ホスピス”の退院調整だった。
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