特集 キャリアビジョンを描ける組織づくり
多様なニーズや価値観をもった組織のパフォーマンス向上をめざして―マネジメントツールとしての組織理念,ホスピタリティ
齊藤 弘通
1
1産業能率大学総合研究所 マネジメントリサーチセンター
pp.385-389
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101733
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
いつの時代も人手不足が課題に挙げられる看護現場。しかし,日本看護協会の調査(2008年 病院における看護職員需給状況等調査)によれば,こうした状況を改善しようとする意図もあってか,近年,「短時間正職員制度」を導入している病院施設が17.7%,導入を検討している施設が18.9%に達するなど,職員の労働に対する価値観・ニーズの多様化を踏まえた人事施策を構築・運用する病院組織が増えつつある。フレックスタイム制の導入や中途採用者の積極的な採用もその一例だろう。
一般企業でも,M&Aによるグループ企業の増加,事業展開のグローバル化などを背景に,文化的背景の多様な者同士が同じ組織の中で働くといった現象は決して特殊なことではなくなった。わが国の労働力の構造に目を転ずれば,非正規労働者の数が2009年10~12月で1760万人を数え(総務省「労働力調査」),雇用者(役員を除く)の約34%を占めるなど,働き方に対する多様なニーズをもった従業員が増加している。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.