連載 看護と医療政策を考えるヒント・12
栄養管理の重要性―胃瘻栄養と脳血管疾患
松村 啓史
1,2
1テルモ株式会社
2厚生労働省中央社会保険医療協議会
pp.259
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101704
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- 文献概要
脳血管疾患医療の重点化
最近,診療報酬面でも脳卒中などの脳血管疾患のリハビリが重要視されています。これらに関連する急性期医療は,その初期対応で生死や術後の状態を左右するものが多く,Center of Excellence(専門施設による高度医療の集中化)が進み,医療の質の向上が図られています。例えば,脳動脈瘤のクリッピングやコイル治療,t-Pa(組織プラスミノゲン活性化因子 tissue plasminogen activator)による血栓溶解療法などです。これら診療報酬上の評価や治療の進化は,脳血管疾患に特化した専門病院の台頭や総合病院におけるこの分野への強化や専門化という現象を生んでいます。
こうした施設では治療だけでなく,同時に術後のリハビリの質も専門力を発揮する戦略となります。事実,これらの病院では術後のフォローのためリハビリ施設を併設した形で経営される病院が増えてきています。このようなある症例にフォーカスして専門性を発揮し,急性期から慢性期まで運営することをマーケティング用語では「垂直統合」と呼びます。
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