連載 知っておきたい医学情報・5
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を用いた栄養管理について―[後編]胃瘻栄養管理のコツ
蟹江 治郎
1
1愛知県厚生連海南病院内科
pp.371-380
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901814
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はじめに
経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は内視鏡の設備さえあれば容易に施行する事が可能です.その管理は経鼻胃管や中心静脈栄養に比して容易で,合併症も少ないと言われています.わが国においても10年ほど前からPEGについての紹介や発表が各施設で積極的に行なわれ,ここ数年で急速に普及する傾向にあります.しかし,それらの紹介や発表はPEGの利点に関してのものが大勢を占め,その問題点について触れられる機会は多くありません.PEGの管理を行なっていく上では,利点のみの知識では各種の問題に十分な対処はできません.そのため今回はPEGの陽の部分ではなく,陰の部分に触れていきたいと思います.
前号では前編としてPEGの総論について触れました.本号では後編としてPEG栄養管理のコツについて説明します.胃瘻栄養管理をより良く行うために必要なことは,①胃瘻の構造を知る,②胃瘻チューブの構造と種類を知る,③PEGの日常管理を知る,④合併症とその対処を知る,⑤介護者を教育する,の5点であると思います.一部前号と重なりますが,それらについて順を追って説明していきます.
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