シリーズ 感染管理のメチエ・1【新シリーズ】
[座談会]新型インフルエンザ対応の教訓から感染対策をボトムアップ
藤田 烈
1,2
,
岩田 健太郎
3
,
大曲 貴夫
4
1東京大学大学院医学系研究科 生物統計学疫学予防保健学分野
2日本看護協会認定看護師感染管理分野
3神戸大学大学院医学研究科 微生物感染症学講座感染治療学分野
4静岡県立静岡がんセンター感染症科
pp.137-141
発行日 2010年2月10日
Published Date 2010/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101678
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2009(平成21)年の夏に始まった新型インフルエンザの流行は社会的に大きな影響を与え,基幹病院から診療所に至るまで各医療機関がその対応に追われたことは記憶に新しい。
日本看護協会による認定看護師制度においても感染管理認定看護師(以下,ICN)は953人(2010年1月現在)とがん看護認定看護師についで2番目に多く,1000人を超える勢いである。
しかしながら,感染管理という領域のもつ難しさ,医療界における感染管理の重要度の認識の差異,看護師-医師間の関係やICNを活用する管理者のあり方など,感染管理を取り巻く課題は多く,各施設で十分な感染対策を行なえているとは言えないのが現状である。
本誌では感染症診療のトップランナーであり,施設を問わず感染管理教育をしている岩田健太郎氏と大曲貴夫氏,そしてICNとして感染制御室をゼロから立ち上げた経験をもつ藤田烈氏に,2009年の新型インフルエンザへの対応を皮切りに,わが国における感染管理の構造的な問題から,将来的に求められる組織としてのあり方までを語ってもらった。
感染管理のキモとは何なのか,ICNの機能と可能性,管理者としてのあり方など,多くのトピックが座談会では話題に上った。
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