連載 病院のことばとコミュニケーション――ポライトネス・ストラテジーの視点から・11
「~さま」か「~さん」かの問題ふたたび―ある公立病院がたどった軌跡
三浦 純一
1
1公立岩瀬病院 外科
pp.1077-1081
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101620
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私たち医療職は患者中心のチーム医療を進め,患者・家族とよりよいラポールを築くために努力してきました。そして,看護の現場で看護師は患者・家族にとって分かりにくい医学用語をやさしく説明し,場面に応じた敬語や方言を用いてきました。話し相手に合わせて適切な敬語を用いることは個人の品格を表わすとされ,看護師はそれぞれの個性,地位,役割を踏まえたうえで敬語を使い,患者・家族と情報の共有を含めて医療コミュニケーションの推進に貢献してきました。本稿では福島県の人口8万人の地方都市にある公立岩瀬病院(以下,当院)がたどった「~さま」から「~さん」への変遷を外部環境や内部環境の変化とともに示し,医療コミュニケーションにおける「~さま」と「~さん」の呼称の意義について考察します。
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